四方山話 ニ
ご存知ですか古文単語
令和4年12月23日
かなし、ほだし、ゆかし
ふとしたことで小倉百人一首の丸暗記を思い立ち、令和2年1月から始め7か月かけて100首を覚え
た。初めの10首を覚えるのに3日間、ところが100首を順番通り暗記するのに苦心惨憺、自分なりの語
呂合わせを使い暗記できた。
暗記の効果は、暇つぶしにもってこい。電車の中で風呂の中で、1番秋の田のから100番のももしきや
と頭の中で読めばたちまち20分が過ぎる。眠れない夜もすぐに寝付く。
百人一首をきっかけに、令和3年春から方丈記、伊勢物語、徒然草、歎異抄、宇治拾遺物語、養生
訓、平家物語、枕草子、万葉集を読み終えた。
方丈記は、鴨長明が1丈(約3メートル)四方の部屋の中で満足できる生活を記し、徒然草は人生の教訓
にあふれている。養生訓では、貝原益軒が人生百年健康を保つ秘訣を書いている。今よく聞く人生百
年時代、日本では約300年前に本になっている。平家物語、高校生の時初めのくだりを暗記させられ
たが、知っていたのは初めの部分。枕草子は、美しい日本の風物が美しい日本語で表現されている。
万葉集で面白いのは、浦島太郎や竹取物語があること、着飾った黒髪の少女がすぐにしわだらけばあ
さんになり、駿馬を乗りこなす若者があっという間に杖をつく憎まれじいさんになる、
飛鳥時代の千年以上の昔も今も人の生活は変わらない。食べて寝て、生活をする。スマホやパソコン
がない時代でも、生まれて、結婚し、子供が生まれ、孫もできる。子が熱をだせば、心配し、神仏に
すがる。医師にすがる。この時代の様子が万葉集に記載があるいうのがなんとも素晴らしい。人の心
は今と変わらない。
世界遺産は文化財、景観、自然など移動が不可能な不動産が対象になる。古典は文学で世界遺産では
ないが、世界に誇れる遺産だと思う。古典には日本人の知恵があふれている。
障害になるのが千年前の日本語が今は死語となっていること。冒頭の3語の意味は、かなしが「かわ
いい」、ほだしが「足手まとい」、ゆかしは「見たい」という意味。さらに、うるさしは「面倒」、
うるせしは「賢い」、うるはしは「立派」、単語帳を作ったが覚えられない。
600語の意味を覚えると、古典はほぼ読めるらしい。だがしかし、情けないことに筆で書かれた古文
書は全く太刀打ちできない。600語も覚束ない。
もう少し早く始めていればと後悔しても遅い。後悔より前進、多くの古典を1冊でも多く読みたい。
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